新人看護師とPNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)
パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)とは、二人の看護師がペアとなり、毎日の看護ケアや医療ケアの一切を共に行う看護体制です。パートナーとなった二人は、行うべき看護業務に対して力を合わせて、共に考え、対等に実践していくことを求められます。
互いの特性と能力を活用し、互いに欠如している部分を補いながら協力して看護業務を行う事で確認作業を繰り返しながら安全なケアを実践できます。
看護職員の不安やストレスの軽減、業務負担の緩和、医療事故防止と知識や情報共有、コミュニケーションの活性化など効率的かつ安全な看護を行う事が出来る体勢と評価されています。
PNSメリット
・いつでも相談相手が共に居て、安心してケアが出来る
・患者さんにとっても、二人でケアを行ってもらえる分安心がある
・大変な清潔ケアや移動動作も二人で行う事で身体的負担が緩和される
・指示や処置の確認を必ず二人でできる状態にあり、ミスや確認不足、ヒューマンエラーが減らせる
・一人では不安な行為に対してフォローがついている
・相手の良いところを吸収できる
新人看護師にとってのパートナーシップ・ナーシング・システム
新人看護師がパートナーシップ・ナーシング・システムを導入する医療現場へ就職することへのメリットは、一人で行う事に対する不安を解消できると言う事です。
実践を繰り返していると、従来であれば一人立ちという事を経験することとなります。自分では自信が無くても、先輩や教育担当者が大丈夫であろうと判断したら、一人で行わなければならない業務が増えてきます。
その業務量が増えてくると、気分は焦り、気持ちにゆとりが無くなります。そこで発生するのはミスや失敗と言われています。
二人ペアで看護を行う事で、その精神的負担や不安を解消し、指導を受けながら安心して実践が出来ることが利点と言われています。
また、自分の実践を見守って貰う事で、リアルタイムでの指導を受けられ、どのようにすべきかなどと注意点や改善点を話し合いながら実践力強化を図ることができます。
ある程度経験をすると、先輩看護師も出来るものだと指導を受けられなくなります。しかし、業務を共にしていることで、よりよい看護を考えながら実践教育を受けられます。
人の考える看護を聞きながら、自分の思いを振り返ることも出来、自己の看護観を深められる、看護に対してあらゆる方向性を見出す力が養われます。
パートナーシップ・ナーシング・システムを活用する職場の選定
新人看護師は、ペアで実践する事に難色を示すことがあります。それは、そのペアの相方です。先輩看護師によっては性格が合わないというケースもあります。
このような時に、上手くこのシステムが活用できず、ストレスの原因となる場合があります。そして、出来る看護師が先先仕事を終わらせてしまい、新人看護師はそのあとを追うだけで何もできなかったという現実もあります。
このようなシステム体制では、新人看護師のスキルアップや成長は望めません。
よって、パートナーシップ・ナーシング・システムを導入している医療現場では、ある程度の実績や経験をもって、本当に稼働しているかどうかを見極めて就職する必要があります。
この方式が良いと言われているため、導入しているという医療現場も少なくありません。
パートナーシップ・ナーシング・システムに対する深い認識と、活用マニュアルの整備がなされた現場出ないと、新人看護師の良い教育は期待できないでしょう。
そして、二人組一で看護実戦をするという点で、新人看護師にも気の緩みや甘えが生じる場合があります。教育を受ける新人看護師自体が、積極的に学びたい、実践したい、教えを乞いたいとの思いが無ければ、パートナーシップ・ナーシング・システムでの学びや、能力開発は困難と言えるでしょう。