大学卒と専門学校卒、新人看護師の待遇などの違い
看護師になるためには、高等学校の看護学科や、看護専門学校、看護大学や看護大学院を卒業して、看護師国家資格を得ることが条件です。
どの学校を卒業しても得られるのは「看護師籍」です。
同じ資格なのに採用条件や待遇が違う事に違和感や不信感を感じている新人看護師がいます。その格差を知ると、モチベーションが低下したり、やり切れない事もあるでしょう。
しかし、必ずしも高学歴が、良い働きをするとも限りません。
大学卒業新人看護師と、専門学校卒業の新人看護師の待遇面での違いを知り、もしこれから看護師になりたい人は、どう考えるか参考にし、もう看護師として働いている新人看護師はキャリアアップの原動力としましょう。
看護師の学歴差による待遇の違い
看護師籍を取れば、平等と言うわけではないようです。最終学歴にこだわる医療機関が多いことは明白です。病院側は、採用の際に高学歴を優先する事は事実です。
キャリアアップ
看護師の質を高めること、看護師のキャリアアップに係る資格取得には大学卒業や大学院卒業と言う条件のある資格があると言う事も要因の一つです。
専門学校卒業では資格を取れない内容があり、専門学校卒業看護師が、資格取得したいとなると、大学進学の支援や休暇措置などを講じなければならず、一筋縄ではいかない事もあります。よって、雇用側の利益を考えれば大学卒業看護師の方が好都合と言う事があります。
しかし、看護師の転職となるとあながちそうではないようです。転職に際しては、実戦力や即戦力を求めることが多く、看護師としての経験や実績を重視する医療機関が多いようです。
給与
大学卒業者の初任給は、短大卒や専門学校卒と比較すると高額になるようです。大体、1万円~2万円となることが多いデータがあります。
しかし、月々数万かもしれませんが、数カ月、1年、3年、5年、10年となると大きな差となります。また、ボーナスは基本給から査定されることが多く、ボーナスから差が発生する事も事実です。
昇任や昇格
管理職に就く時や、経験年数による役職昇進などが学歴に反映する事があります。大学卒業だから早く昇進や昇給することもあると言う事は事実です。
しかし、こう考えることもできます。
大学卒業には資金がかかります。短大卒や専門学校卒の方が、資格取得に係る学費や期間が少ないことが多く、抱える奨学金返済やこれまで看護教育を受けるために係った資金は少ないことが考えられます。
よって、大卒の方が数万給与が高いかもしれませんが、その背景に係る金銭面の負担では、大卒の方が苦しい現状があるかもしれません。
看護師の学歴の差による勤務先選択肢の違い
学歴を重視する医療機関とそうではない医療機関が存在します。それは、公務員かそうでないかが一番はっきりした就職事情です。
公務員の看護師
国公立大学病院や自治体病院などの国家公務員、地方公務員に属する医療機関に所属する看護師は、その学歴により国や地方公共団体の取りきめた給与規則等に準じますので、一般職の公務員と同等の待遇を得るようになります。
その為に、看護職も学歴により初任給や昇給が決まっている場合があります。
民間医療機関の看護師
民間の医療機関では、実績主義となることが多く、その医療機関のどれだけ貢献できたかと言う事が待遇に反映されることがあります。
高学歴で、ミスやインシデントの多い看護師より、専門学校や高等学校の専攻科を卒業した看護師でも仕事の覚えが早く、現場に適応できる新人看護師の方が高評価、好待遇となる場合があります。その場合、一人一人の看護師が士気高く、能力開発に向け前向きな現場となるでしょう。
ひよこマザーのワンポイントメモ
年収は、学歴ではなく現場の仕事の状態で決まることの方が多いです。個人目標管理によりその目的や達成度を自己評価、他者評価してその程度、この病院の力になれているかを判断し、能力評価を行う医療機関が多いのが現状です。
新人看護師は、初任給で差が出たかもしれませんが、ここからが勝負です。大卒に負けない給与や待遇を得るために、自己研鑽、能力開発に励み、実績で評価を得るようにしましょう。