50代の看護師向け仕事探しマニュアル
職場選びのポイント
■体力のことを考える
50代になって一念発起して看護師の仕事を目指す人も中にはいます。50代の新人看護師が職場を選ぶ際に重視したいのは、肉体的な負担のかからない職場です。看護師は白衣の天使などと呼ばれますが、実際のところきつい・汚い・危険というハードな職場です。また排泄物なども扱いますので、感染症の可能性もあります。若い頃ならもともと体力があるので、何とかできるかもしれません。しかし50代になると、精神面でカバーしきれないでしょう。
そこで無理のない職場を見つけることが大事です。おすすめなのは、福祉施設でしょうか?福祉施設はさほど体力的にハードではないので、50代の新人看護師でも十分対応できます。新人看護師は覚えることもたくさんありますので、あまり自分を追い込まないことです。
意外と介護施設は体力勝負なので、注意した方がいいです。寝たきりの高齢者の体位変換をするとか、車いすまで運ぶときなど要介護者の体重がかかって結構な重労働です。救急病棟もキャリアアップのチャンスはあるものの、きびきびとした対応が求められ、50代の新人看護師には少し酷な職場環境といえます。
■夜勤は避けた方が良い
入院病棟の担当になると、夜勤を月に何度かこなさないといけません。昼夜逆転の生活・不規則な生活リズムは若い頃なら耐えられますが、50代に差し掛かってきてこのハードな生活に慣れるのはなかなか大変です。そこで夜勤のないクリニックなども職場の候補に入れるべきです。
病棟勤務の中には、夜勤のない案件もあることはあります。しかし非常勤扱いのケースが多いので、収入が少ない、社会保障が十分でないなどの問題点が出てきます。病院で仕事したいというのであれば、外来の求人を探すことです。外来であれば夜勤を担当することはないですし、日曜日も休日であることが多いからです。残業なども少ないことが多く、規則正しく仕事ができるでしょう。
もし体力的に自信がない、ゆとりを持って仕事に励みたいと思っているのなら、非常勤の仕事からチャレンジしてみる方法もあります。パートや派遣の案件もたびたび出ています。パートといっても、時給2000円を超えるような求人も多く、普通にアルバイトをしているよりも稼げます。パートや派遣で無理のない範囲で仕事を続けてみて、仕事のやり方や体が慣れてくれば、正規職員として仕事をしてみるのもいいでしょう。病院などの医療機関の中には、最初は非常勤、のちに正規職員として登用してくれる所も見られます。
ワンポイントアドバイス
よく年齢が上になればなるほど、転職は厳しくなるといいます。一般的に50代に差し掛かると、さすがに転職先を見つけるのはよほどのエグゼクティブ待遇など特殊なケースでないと厳しいといいます。しかし看護師の場合、慢性的な人手不足の状態が日本各地で起きています。ですから、50代でも就職する道は十分あると思ってください。実際年齢不問の求人情報も、日本各地でしばしばみられます。
ただ50代の新人看護師が仕事をする場合には、とにかく自分の体と相談することが大事だと思います。私の周りの看護スタッフにも、50代くらいのベテランの方がいますが「若い頃のように無理がきかなくなった」とよくこぼしています。
これから仕事を探そうと思っているのなら、何時間くらいなら働けるのかよく考えましょう。できれば時短など、自分のペースで仕事のできるような案件を見つけることです。
そしてどのような仕事をしたいのかも自問自答した方がいいと思います。医療にやっぱり携わっていきたいという人もいれば、福祉関係の仕事をして、地域の人たちに貢献したいという人もいるでしょう。また予防医療にかかわっていく選択肢もあります。看護と介護、どちらに力を入れたいカモ人によって考え方は異なります。これからの人生設計にも大きな影響をもたらすので、しっかりと目標や希望をまとめたうえで、求人探しをすることです。