新人時代に転職を経験した看護師の割合
看護師2年目までに転職を経験するのは全体の何%?
看護師の職場では、最も離職率が高くなっているのは1年目なのですが、2年目に入って辞めてしまうという人も多くなっています。2年目であってもまだ研修を終えたばかりなので、十分新人看護師だと言えるでしょう。では、2年目までに辞めてしまう看護師はどれぐらいいるのかというと、17.7パーセントの人が退職してしまうのです。
ようするに10人入社したらそのうち2人前後は2年以内に辞めてしまうということを意味しているのですが、転職率や割合という数字だけ見ていても意味がありません。なぜなら職場の改善や待遇の改善をしない限り、新人看護師が辞めてしまう割合は減らないことと、入社する人数によっても変わってくるからです。
かなり極端な例を出しますが、100人入社して2人辞めてしまうと離職率は2パーセントで決して多い割合だとは言えません。それに対して10人入社して2人辞めてしまった場合にはどのようになるでしょうか。離職率は20パーセントとなり、かなりの割合で退職してしまう職場のように感じてしまうのです。2年目までにどれぐらい辞めたのかというのは、全体の何パーセントだと確認するよりも、どのような職場なのかを知る方が大切です。
他の病院に転職するケース
看護師によっては病院の仕事内容や勤務形態自体には不満を持っておらず、人間関係が理由で辞めたという場合には、また第二新卒として病院へ転職するという人もいます。新人看護師時代に病院から病院へ転職する人、もしくは他の職場から病院へ転職する看護師はどれぐらいになっているのかというと、大体2割の人が病院へ転職しているのです。
なぜ病院へ転職することを希望するのかというと、看護師としての技術や知識をしっかりと身に付けられるから、病院の仕事にやりがいを感じている、求人数が多くて第二新卒でも採用してもらいやすいというのが挙げられます。病院へ転職する人の多くはこのような理由で転職しているのですが、患者の数はどんどん増加しているのに、看護師の場合には転職してくる人と辞めてしまう人の割合が同じぐらいなので、人員の補強ができていない状態です。
確かに病院にはデメリットも多いですが、メリットも多くなっていますし、病院でなければできないことも多くなっているので、どのように看護師確保を行っていくかが重要です。現状のままでは新人看護師を確保するのは難しいでしょう。
近年は病院以外に転職するケースが増加
病院へ転職する人が約2割なのであれば、他の8割はどこに転職しているのかというと、当然病院以外の職場です。近年では病院以外の職場に転職することを希望する看護師も多く、新人看護師であっても医療行為を行いたい場合にはクリニックへ転職し、あまり医療行為を行うことにこだわっていない人などは、保育園や病児保育室、訪問看護施設や老人ホームなどに転職しています。
人によっては第二新卒では少々採用してもらうのが厳しい職場にも挑戦し、実際に採用してもらったという看護師も存在しています。なぜ病院以外の職場に転職することを希望するのかというと、休みがしっかりと取れる、夜勤がない、残業が少ない、体力的にも精神的にも楽という理由が多くなっています。
しかし、病院以外の職場であっても夜勤が存在している場合もあれば、残業が多くなっているような職場も存在しているので、よく情報収集しないで転職する人は失敗することが多くなっています。それが証拠に何度も転職する看護師も多くなっていて、2回以上転職した看護師の割合は16パーセントにもなっているのです。
ちなみに3回以上でも9パーセントあるので、多くの人は複数回転職をしているのですが、やはりその多くは病院以外の職場に転職することが多くなっています。人によっては病院から他の職場へ転職して失敗し、また病院で転職したという人もいるので、転職に必ず成功しているとは限りません。しかも新人看護師は病院以外の職場経験がないので、このように失敗しやすいのです。