看護師のスキルアップ資格「がん看護専門看護師」
医療技術が進歩したことで、がん治療も一昔前と比較するとかなり進んでいます。しかし末期がんなど、まだ医療でも感知できないものもたくさんあります。
がん患者は死と隣り合わせになりやすいため、身体的・精神的な苦痛が非常に大きいです。この苦痛を理解して、患者やその家族に適切なケアをする看護師のことをがん看護専門看護師と言います。
患者やその家族の不安を以下にやわらげられるか、コミュニケーションスキルが要求されます。その他にもQOLを念頭に入れた看護をしていかないといけません。
がん患者へのケアは、医者などの他の医療や福祉の関係者と連携して行います。このため、チームワークを重視する人材の方が好ましいです。
ただ単に患者へのケアをするのががん看護専門看護師の役割ではありません。自身の持つ専門知識やスキルを他の看護師に教えることで、全体の看護レベルをあげることも求められます。
がん看護専門看護師の資格保有者ですが、2015年までに日本全国に581名います。大規模病院やがんセンター、緩和ケアの施設などで働いている人が多いです。
がん看護専門看護師になるには認定審査を受ける必要がありますが、合格率は95%くらいで推移しています。しかしこれは受験資格を満たすための厳しい基準があるためで、決して難易度が低いわけではありません。
がん看護専門看護師の資格取得方法・条件
がん看護専門看護師は、日本看護協会が認定をしています。
受験資格を得るには
まず大前提として、日本の看護免許を持っている人が対象です。その上で、日本看護系大学協議会の定める専門看護師教育課程基準の単位を取得する必要があります。ちなみにこの条件を満たすためには、看護系大学院の修士課程を修了しないといけません。
看護師免許を取得した後で、実務研修が通算5年以上・うち3年間はがん患者に対する看護の実務研修を有することが条件となります。ちなみにこの年収に関してですが連続である必要はなく、かつ非常勤でも期間としてカウントできます。
認定審査について
認定審査は書類審査と筆記試験の2つがあって、両方とも合格しないとがん看護専門看護師にはなれません。書類審査ですが、看護実績報告書と教育活動報告、修士論文等研究報告書を提出します。
看護実績報告書ですが、以下によって構成する決まりになっています。
●実践:2例
●コンサルテーション、コーディネーション、倫理調整:それぞれ1例
筆記試験ですが、論述式の試験となります。認定審査に合格すれば、がん看護専門看護師として活動できます。
死因1位の病気のケアにあたる資格
日本人の病気による死因の中でもがんは第1位です。今でもがん患者はたくさんいますし、高齢化の進む今後ますます増えるのではないかと予想されています。このため、がん患者のケアをする看護師はどの病院でも高いニーズがあります。
がんは早期発見・早期治療を行えば、今では完治できる可能性も十分ある病気になりつつあります。早期発見やがん予防のためには専門的な知識を持った医者以外にも、がん看護専門看護師の存在が必要不可欠になりつつあるといわれています。
ちなみにがん看護専門看護師の資格を持っていれば、がんケアに関する専門的な知識を持っていることが証明できます。よって給料をはじめとした待遇で厚遇される可能性は高く、転職するときの有力な武器となる可能性も十分考えられます。
がん看護専門看護師の資格に興味がある看護師さんへ
がん看護専門看護師はがん患者のいる総合病院やがんセンターといったところで活躍している人が多いです。診療科で見てみると、内科が多くその他には消化器科や循環器科、婦人科といったところに所属している看護師の方が多いみたいですよ。
その他には終末期医療の緩和ケアセンターのような所で仕事をしている人もいますし、がん相談支援室でがん患者やその家族の悩み相談を受けている看護師も見られます。
専門看護師や認定看護師養成の養成機関で講師として仕事をしている人もいて、がん治療の最前線で仕事のできるチャンスがありますよ。