看護師のスキルアップ資格「視能訓練士」
眼科で看護師として活躍したいと思っているなら、視能訓練士の資格を持つと転職するにあたって有効な武器になります。
視能訓練士は眼科における専門的な眼科検査から矯正訓練まで、いろいろな業務に携われます。国家資格の一種で、昭和46年に制定された視能訓練士法に基づいています。
昭和46年から開始された視能訓練士は、2013年の3月末時点で10879人の資格保有者がいます。数を見ると多いような感じがするかもしれませんが、眼科医と比較すると少ないです。
国家試験に合格することで資格取得できます。平成25年度の合格率を見てみると、73.5%の合格率になっています。中には合格率90%を超えた年度もあって、事前に対策をしっかり行っていれば合格できる可能性は高いです。
視能訓練士の資格取得方法・条件
視能訓練士は医療関連の国家資格の一つです。このため、厚生労働省が資格の認定を行っています。
受験資格
看護師が視能訓練士の受験資格を得るためには、看護師・保育士の養成機関で指定科目を履修して、視能訓練士養成所で必要な知識やスキルを習得するために1年以上勉強すると受験資格が与えられます。
看護師が視能訓練士の国家試験を受けるためには、養成所に通って勉強しないといけません。もし看護師の仕事をしていれば、病院などと相談して授業に出席するためのスケジュール調整をする必要があります。
試験の概要と合格基準
平成25年の国家試験を見ると、一般問題が129問、臨床問題が20問出題されています。一般問題は1問1点、臨床問題が1問2点の配点となっています。169点満点で、102点が合格ラインです。だいたい60%以上の正答率が合格ラインとなります。
ちなみに試験科目は基礎医学大要と基礎視能矯正学、視能検査学、視能障害学、視能訓練学となっています。マークシート方式で解答します。
視能訓練士の資格は今後需要が増える可能性が高い
先ほども紹介したように、視能訓練士の資格保有者数は眼科医のそれと比較すると十分とは言えない状況です。しかも現在眼科では眼科検査を従来よりも充実・拡張をする動きが活発になっています。このような関係もあって、ますます需要過多の状況が進むのではないかとみられています。
視能訓練士は眼科検査の他にも、斜視や弱視患者に対する訓練の指導や低視力者のリハビリ業務など、多彩な業務を担当できます。このため、1つの施設でも複数の視能訓練士を配置している所も多いです。
仕事やプライベート両面で、パソコンや携帯電話を頻繁に使っている人もいるでしょう。パソコンも携帯も共通することとして、目を酷使する傾向が見られます。このため、目の異常や不調を訴えて眼科を訪れる人も増えています。このような現状を見ても、視能訓練士の資格があれば眼科看護師として活躍できる可能性は極めて高いと言えます。
視能訓練士の資格を持つと、資格手当のつく可能性は高いです。またパートやアルバイトとして勤務する場合でも、従来の看護師の時給よりも多少上乗せされるかもしれません。
視能訓練士の資格に興味がある看護師さんへ
視能訓練士の資格を取得すれば、眼科クリニックや総合病院の眼科で活躍できる可能性は高いです。大学病院や総合病院はもちろんのこと、個人のクリニックでも眼科検査委を充実させ売りの一つにしている所も増えています。
さらに眼科専門の研究施設や視能訓練士の養成所で勤務する看護師もいます。眼科の専門資格といわれると活躍できるフィールドは狭いような印象があるかもしれません。しかし、意外と活躍できる職場はいろいろとあるんです。
視能訓練士は矯正訓練を担当することがあります。目のリハビリはすぐに目立つ効果が出ないかもしれません。何度も繰り返し訓練をする必要があって、根気のいる仕事だと思った方が良いです。
また老若男女、いろいろなタイプの患者が訪れます。どのような年代の患者であってもスムーズにコミュニケーションが図れるような高いスキルを持った看護師の方が活躍できると思います。