看護師のスキルアップ資格「管理栄養士」
管理栄養士は、栄養に関しての専門的で高度な知識やスキルを持っている人に対して与えられる国家資格です。
それぞれの栄養状態や身体状況に応じて、健康増進するための指導や疾病を抱えている人に対して体を回復させるための栄養指導を行います。
また、スポーツ選手に対して、よりパフォーマンスをあげるための栄養指導を実施している人もいます。
管理栄養士の資格保有者数は、2012年12月の時点で17万6391人います。ちなみにこの年に新たに免許交付は1万351人に対して行われています。
2001年に10万人を超えて、免許交付者数は年々増加傾向にあります。2012年に初めて年間の免許交付者数が1万人を超えています。
管理栄養士国家試験出題基準に準じて問題は出題されます。2006年以上は200点満点のうち120点以上獲得できれば合格扱いになります。
ちなみに合格率は30~40%くらいで推移しています。2012年は49.3%と受験者のほぼ半分が合格しています。しかし2004年には15.6%の合格率を記録したこともあり、多少年度によるばらつきが見られます。
管理栄養士の資格取得方法・条件
管理栄養士は国家資格で厚生労働省が認定しています。栄養士法の中で規定されている名称独占資格になります。このため、免許を交付するのは厚生労働大臣となるわけです。
受験資格
管理栄養士になるためには、まず受験資格を満たす必要があります。大学や短大、専門学校の栄養士養成課程を卒業して、栄養士免許をまずは取得します。そして栄養指導に従事することです。
在学期間と実務経験の合計が5年間になれば受験資格が得られます。その他には大学や専門学校の管理栄養士養成課程を卒業する方法もあります。
看護師の免許を持っているだけでは、受験資格は得られません。まずは専門の養成課程を受講しなければなりませんから、学校にしばらくは通学しないといけません。
試験内容
例年3月の第3日曜日に実施されています。社会・環境と健康、人体の構造と機能予備疾病の成り立ち、栄養基礎学、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学、講習栄養学、給食経営管理論、食べ物と健康の9つの科目と応用力試験の10科目で考査されます。
医療の現場における管理栄養士
管理栄養士として勤務した場合の年収は、だいたい300~400万円の間というのが相場になるようです。しかし有名なスポーツ選手の栄養管理を担当するなど給料アップの方法はあります。
その他にも企業をはじめとした管理栄養士が1人しかいないといった職場の場合、その専門性が高く評価され、高年収を約束されることもあります。どこに就職するかで、待遇に開きの起きる可能性があります。
テレビ番組を見てみると、健康関係の特集を放映するケースが増えています。「○○が体にいい」といわれると、その商品が品薄の状態になるケースはたびたび起こります。このように病気の予防や健康のための栄養管理はますます重要視されています。
このため管理栄養士を設置させている施設が増えてきています。特に高齢化社会がどんどん進んでいる現在、介護施設が全国に増えています。
高齢者の健康管理のため、管理栄養士の資格を持った看護師の需要は高まっています。今後しばらくは、管理栄養士に対する需要は高い状態で推移するとみられています。
管理栄養士の資格に興味がある看護師さんへ
管理栄養士の資格を生かして活躍できる職場って、いろいろとあります。
ざっと見た所でも先ほど紹介した介護施設の他にも保育園や学校のような教育施設、刑務所や少年院などの矯正施設、保健所、スポーツ施設、福利厚生施設などがあります。もちろん病院でも活躍できますよ。
管理栄養士は、食事を通じた健康管理をする人たちです。そこで料理などにもともと興味を持っている人におすすめだと思います。
料理はただ栄養バランスがとれているだけではだめですよ。大前提としておいしくないと食も進みません。
そこで「この食材とこの食材を絡めた料理がおいしくていいんじゃないか?」とか「このメニューとこのメニューを組み合わせれば味が合うな」といった料理的センスが求められます。料理好きの人には向いている資格だと思いますよ。