看護師のスキルアップ資格「消化器内視鏡技師」
胃カメラをはじめとして消化器科では内視鏡を使うことがしばしばあります。消化器内視鏡技師は、内視鏡に関係する業務に携わるにあたって、専門的な知識や技能を持った人だと認定する資格になります。
具体的には内視鏡検査や診察の介助、装置の管理・整備を担当します。消化器科で勤務する看護師が消化器内視鏡技師の資格を有していると、内視鏡を使った検査もスムーズに進むはずです。
消化器内視鏡技師に認定され、登録扱いになると日本内視鏡学会の会員となります。日本内視鏡学会には専門医や指導医なども含まれますが、31000人以上が登録しています。
消化器内視鏡技師として認定されるためには、実務経験が要求されます。そのうえで日本消化器内視鏡学会の認定する講義を受講して、内視鏡に関する専門的な知識や関連する医学知識をマスターしないと資格取得はできません。
消化器内視鏡技師の資格取得方法・条件
日本消化器内視鏡学会という一般社団法人が認定しています。1959年に設立された日本胃カメラ学会がベースになった団体で、胃がんの早期発見や早期診断を目的として設立されました。
資格取得条件
消化器内視鏡技師は第一種と第二種とに分類できます。第一種を取得するためには、以下の国家資格が必要です。
・看護師
・保健師
・助産師
・臨床検査技師
・診療放射線技師
・薬剤師
・衛生検査技師
・臨床工学技士
第二種は准看護師資格を持った人が対象です。
そのうえで消化器内視鏡学会の専門医の指導の下で2年以上の実務経験が必要です。そして学会が規定する講義を受講することです。
加えて学会専門医の推薦を受け、内視鏡従事者としての介助実績の証明書類の提出、過去5年以内に内視鏡取扱い講習会や機器セミナー基礎編を受講していることも必須の条件となります。
審査方法
受験申請された書類をもとにして、合否が通知されます。合格だった場合には、学術試験と口頭試問が実施され、そこで一定の基準以上に達していれば、晴れて資格取得できます。
学術試験は午前中に実施され、消化器内視鏡全般に関する問題が出題されます。そして口頭試問は、午後に実施されます。
内視鏡検査の重要度の高まり
内視鏡検査ですが、どんどん対象の部位は広がっています。食道や胃、十二指腸、大腸、胆道、膵管といった感じで消化器系のほとんどすべてをカバーしているといっても過言ではありません。
他にも消化器出血の止血やがんの粘膜切除といった感じで検査だけでなく治療でも使用範囲が徐々に広がっています。手術のように体に大きなメスを入れるのではなく傷を最小限にして検査や治療を行う内視鏡は、患者の負担も軽減できます。このため、需要はますます大きなものとなるでしょう。
近頃では、内視鏡に特化した病院や病院の中に内視鏡室という独立した組織を設けている所も出てきています。消化器系のがんは早期発見・早期治療できるかどうかが一つのポイントです。そこで定期的に内視鏡検査を受ける必要性が高まっています。
このように内視鏡検査の重要性が認識されている中で、消化器内視鏡技師の専門の資格を持っていると評価は高いです。消化器系の分野でキャリアアップしたいと思っている看護師がいれば、資格取得を目指すべきです。
消化器内視鏡技師の資格に興味がある看護師さんへ
病院の検査室や消化器系の病院やクリニックなどが職場として考えられます。特に内視鏡室を設けている病院では、看護師に消化器内視鏡技師の資格取得を推奨している所も多いみたいですよ。
資格取得するためには、学会の講義などにも積極的に参加しないといけません。内視鏡室を設けている病院の中には、講義が受けられるようにスケジュール調整してくれるなど資格取得を支援している所も見られます。
もし今の病院では仕事をしながら資格取得をするのが難しいというのであれば、このように資格支援のバックアップをしてくれる病院に転職するのも一つの手ですよ。このような病院なら資格取得すれば、給料に資格手当もプラスされる可能性が高いです。