看護師のスキルアップ資格「福祉住環境コーディネーター」
高齢者や障碍者の場合、通常の住居だと生活しづらい側面も出てくるでしょう。そこで最近広く認知されるようになったのが、バリアフリーという発想です。
福祉住環境コーディネーターはこのような高齢者や障碍者が住みやすいと感じられるような住環境づくりの提案やアドバイスをする役割です。
住宅を建築するにあたって、いろいろな専門家と連携します。また中には既存の住宅をリフォームすることで、より住みやすい空間を作る手法もあります。
このようにそれぞれの高齢者や障碍者の現状を分析して、それぞれのケースに対する適切な提案をするオーダーメイド型の業務になります。
1999年から資格が認定されるようになり、2級と3級があるのですがそれぞれ20万人以上の合格者がいます。
ちなみに合格率ですが、3級試験の場合50%前後の合格率で推移しています。2級試験も3級試験に近い合格率、年度によっては3級を超える合格率を誇る場合もあります。
受験対策をしっかり行っていれば、合格できる可能性は十分あります。1級試験は一ケタの合格率が多く、難易度は高いです。
福祉住環境コーディネーターの資格取得方法・条件
東京商工会議所が認定を担当しています。
受験資格
受験資格は特に設定されていません。2級試験を受けるにあたって、3級試験に合格していないといけないといったルールもありません。
いきなり2級試験を受験するのも、2~3級試験を同時に受けることも可能です。1級試験に関しては2級資格を取得している人が対象になります。
試験内容
東京商工会議所から、福祉住環境コーディネーターの公式テキストが級ごとに出版されています。こちらに記載されている内容をベースにして、問題は出題されます。障碍者や高齢者の自立支援方法や住環境に関して問う問題が中心となります。
100点満点で試験は実施され、70点以上で合格扱いになります。マークシート方式で出題され、1級試験はその他に一部記述式の問題も出題され、難易度はアップします。
試験対策としては東京商工会議所の対策セミナーや通信講座を受講するのが一般的です。
看護師資格と福祉住環境コーディネーターの資格を組み合わせた活かし方
今後日本人の人口に占める高齢者の割合が4割くらいの達するのではないかといわれています。このような超高齢化社会が進んでいる現在、介護の必要のある高齢者が生活しやすい環境も真剣に考えていかないといけません。
医療の世界では入院期間の短縮化を進めています。慢性化している患者に関しては退院させ自宅療養する方針をとる所が増えています。障害を抱えた高齢者がなるべく自立した生活を送るためには、福祉住環境コーディネーターの存在は不可欠といえます。
病院で活躍する看護師が福祉住環境コーディネーターを取得すれば、退院後の生活に関する相談が受けられます。ハウスメーカーなどとの折衝に当たるなどすれば、患者やその家族からの信頼も厚くなるでしょう。
高齢者を多く収容している病院では、福祉住環境コーディネーターの資格を持った看護師は重宝する人材と映るはずです。
福祉住環境コーディネーターの資格取得を奨励している病院も実際、増加傾向にあります。
常勤の正看護師で福祉住環境コーディネーターの資格があると月給で25万円以上、初年度の年収でも400万円以上になるケースも多々見られます。給料アップを希望している、高齢者福祉や介護に興味のある人におすすめです。
福祉住環境コーディネーターの資格に興味がある看護師さんへ
病院の中でも療養型病棟のような高齢者の患者の多いところでは、福祉住環境コーディネーターへのニーズが高いです。
その他にも障碍者施設や介護施設のような福祉関連施設も福祉住環境コーディネーターの資格を持った看護師の職場の候補になります。
また、一般企業で仕事をして、キャリアの視野を広げたいと思っている人もいると思いますが、福祉住環境コーディネーターの資格はリフォーム業者のような住宅関連の会社に就職するときに、有利に働くと思いますよ。