看護師のスキルアップ資格「診療情報管理士」
患者の情報はしっかりと管理する必要があります。検査結果や手術などの治療記録などを見て、その後の治療を決めていくことがあるからです。
このような診療情報を管理するのを担当する人として、診療情報管理士があります。
ただ単に診療情報を管理するだけでなく、必要に応じて情報を抽出して分析するといったことも行います。こうすることで医療サービスの質を向上させるとか、患者のニーズを正しく把握することにもプラスに働きます。
診療情報管理士はかつて診療録管理士という資格で呼ばれていました。この両方の資格を合わせると、27000人以上の人が資格保有しています。
診療情報管理士の資格取得方法・条件
日本病院会と全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会という四病院団体協議会が医療研修推進財団と共同で認定を実施しています。民間資格の一種です。
受験資格
まず必要なカリキュラムを受講する必要があります。カリキュラムを受講するにあたって、2つのコースのいずれかを選択しないといけません。
・日本病院会の主催する診療情報管理通信教育の受講
・診療情報管理士受験認定して以降における必須科目の履修
学歴として短期大学もしくは専門学校卒業以上が条件として掲げられています。しかし高卒であっても、看護師など病院勤務をしていれば、受験は可能です。
診療応報管理通信教育では、スケジュールがあらかじめ決められています。そしてそのスケジュールに沿ってテキストやリポート問題集が送られてきますから、ある程度のペースで勉強を進めていかないといけません。
提出用のレポートがありますから、こちらを提出していきます。レポートの提出期限が決まっていますから、厳守で作成する必要があります。
ちなみに通信教育の場合、自分で勉強を進めていきます。しかしそれでも年に2回、3日ずつのスクーリングを受講する必要があります。病院勤務しながら診療情報管理士を目指すのであれば、仕事のスケジュールとの調整が必要です。
試験内容
試験は、基礎分野と専門分野の2つによって構成されています。
基礎分野に関しては医療概論や人体構造・機能論、臨床医学総論、臨床医学各論、医学用語で専門分野では医療管理総論や医療管理各論、医療情報学、医療統計学、診療情報管理論、国際疾病分類概論、分類法などの科目から出題されます。
毎年例年2月に試験は実施されています。
診療報酬の変更で高まる資格の重要性
医療情報は患者に対してどのような治療方針で臨むか、どのような薬を処方するかを判断するにあたって重要な情報です。このため、診療情報管理士の資格を持った人へのニーズは安定してあります。
2000年に診療報酬の改定が実施されました。その中で診療録管理体制加算と呼ばれる制度が新設されていて、診療記録を管理するスタッフの重要性が再認識されています。病院でも診療情報管理士の資格を持った人材の配置が進められています。
もし病院勤務している看護師が、診療情報管理士の資格を持っていれば、外部から新たにスタッフを確保する必要がなくなります。診療情報管理士の資格を持っていると基本給に加え、資格手当が発生して、給料アップにつながる可能性も期待できます。
診療情報管理士の資格に興味がある看護師さんへ
診療情報管理士は病院やクリニックで必要とされる資格です。その中でも特にクリニックで勤務するときには、有効な武器になると思いますよ。クリニックの場合、どうしても病院と比較して働くスタッフの絶対数が足りないです。
もし診療情報管理士の資格を持っていれば、医療事務の領域の仕事も担当できます。そうなれば1人2役ができ、クリニックとしても経費削減効果が期待できるため、どうしても欲しい人材と思ってくれます。
最近の医療機関では、多くが電子カルテによって患者情報の管理を行っています。となると診療情報管理士として、情報管理をする場合、コンピューターを使うことになるでしょう。
診療情報管理以外にも、パソコンのスキルを持っていた方が好ましいですね。