看護師のスキルアップ資格「保育士」
最近では夫婦共働きとかシングルマザーの家庭も決して珍しくなくなりました。そこで自分たちが仕事をしている間、子供を保育所に預けて面倒を見てもらうスタイルが当たり前になりつつあります。
このような親から預かった子供たちの面倒を見る国家資格に、保育士があります。
2015年現在、保育士として登録されている数は約107万人となっています。合格率は10~12%といったところで例年は推移しています。
難易度は決して低くはありませんが、受験対策をしっかりと行えば資格取得の可能性も十分期待できます。
保育士の資格取得方法・条件
先ほども紹介したように保育士は国家資格になります。このため、資格認定しているのは厚生労働省となります。
受験資格
保育士の国家試験を受けるためには、学歴や職歴に関して、細かな規定がなされています。下記で紹介するいずれかの条件をクリアすると、受験資格が与えられます。
- 大学に2年以上在学し62単位以修得
- 大学に1年以上在籍し、62単位以上修得見込み
- 高等専門学校や短期大学を卒業または卒業見込み
- 高等学校や特別支援学校の専攻科を卒業もしくは試験開催の年度中に卒業見込み
- 専修学校の専門課程や各種学校、当該専攻科で年度中に卒業見込み
- 高等学校を卒業後、児童施設や保育所、障がい者支援施設、放課後児童支援施設で2年以上・総労働時間数2880時間以上、児童の保護の実務経験
- 児童施設や保育所、障がい者支援施設、放課後児童支援施設で5年以上・総労働時間7200時間以上、児童の保護の実務経験
受験しようと思っている人は、今一度自分が上で紹介した基準を満たしているかどうか確認した方が良いでしょう。
試験の概要
保育士の国家試験は、筆記試験と実技試験の2種類で実施されます。ちなみに2段階の試験日程となっていて、筆記試験に合格しないと実技試験に進めません。
筆記試験は保育原理や教育原理、社会的養護、児童家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子どもの保健、子どもの食と栄養、保育実習理論といった科目の中から出題され、マークシート方式で解答します。各科目6割以上の正答率があれば、合格になります。
実技試験は音楽表現と絵画制作、言語表現の3つのジャンルから2つを選択して受験する形になります。ちなみに合格科目があっても資格取得できなかった場合、受験の際に申請すれば、その科目の受験は免除になります。最高でこの免除の措置は3年間利用できます。
看護師資格を持った保育士のニーズ
看護師の場合、どうしても夜勤もあって休日も不規則なため、ママさんナースは子供を通常の保育園に預けにくい所があります。そこで病院では働き手を少しでも多く確保するため、病院内に託児所や保育園を所有するところも大規模病院を中心に増えてきています。
もし保育士の免許を持った看護師であれば、病院内保育所や託児所で活躍することも可能です。今後ママさんナースが働きやすい環境を整備するために、病院でも保育園の開園や拡充に力を入れてくるでしょう。そうすれば、保育士の資格を使って病院で活躍できるチャンスも広がります。
一般の保育園でも、活躍するチャンスはあります。病児保育と言って、体調のすぐれない子供も預かる保育園では看護師資格を持った人間が在籍していれば心強いです。医療の専門的な知識を持った人がケアすれば、深刻な事態を未然に防げる可能性は高いからです。
保育士の資格に興味がある看護師さんへ
保育士の資格の生かせる職場は何といっても、保育園などの施設ですね。その他には乳児院や児童養護施設、児童館、学童保育といった子供に関係する施設で募集が出ます。
また小児科に力を入れている病院では、保育士の資格を持った看護師はかなり大きな売りになると思いますよ。
さらに知的障害者施設でも保育士の資格を持ったスタッフを募集していることが多いので、このような職場への転職を検討している人は資格取得して損はないでしょう。