看護師のスキルアップ資格「インターベンションエキスパートナース」
医療サービスを提供するにあたって、看護師の他にも医師や放射線技師といった感じで、さまざまなスタッフが連携します。その中でも治療を円滑に進めるためには、間に立つ看護師のコーディネートスキルやコミュニケーションスキルが重要になります。
このような医療チームを円滑に回すための相当の能力を持っている人に対して与えられる資格に、インターベンションエキスパートナースがあります。
カテーテルをはじめとしたインターベンション治療の看護において、積極的に専門的スキルを持って従事するための専門資格になります。
患者に不測の事態が起こらないように、先回りして対策を講じるのがインターベンションエキスパートナースの重要な役割です具体的には、モニタリングして次に必要な処置を予想して準備するとか、患者への薬剤投与や感染管理などを担当します。
インターベンションエキスパートナースは2学会の合同認定資格になる前の日本IVR学会認定IVR看護師も似たような資格です。こちらの資格保有者も含めると、日本全国に1000人以上の資格保有者がいます。
試験の難易度を見てみると、合格率は90%以上誇ります。インターベンションエキスパートナースの試験を受ける看護師を見てみると、しっかり試験準備をしている人が多いことも同確率の高さにつながっているようです。
インターベンションエキスパートナースの資格取得方法・条件
日本インターベンションラジオリジー学会と日本心血管インターベンション治療学会の合同で認定する資格になります。
インターベンションエキスパートナースに認定されるためには、学識技術に優れていることを証明しなければなりません。
受験資格
まず、正看護師もしくは准看護師の資格を保有していることは、絶対的な条件となります。
さらに、IVR専門医もしくはCVIT専門医の下で、100例以上の看護経験を持っていることが条件となります。ちなみにどちらかの専門医だけについても、100例以上の経験があれば大丈夫です。
専門医であれば、常勤・非常勤関係なく経験としてカウントできます。
その上で受験資格を得るためには、インターベンションエキスパートナース講習会を2年に1回以上受講しなければなりません。講習会は定員が決められていますから、出席できるのであれば早めに応募した方がよいでしょう。
試験内容
書類審査と筆記試験によって考査されます。筆記試験は、取捨選択方式で行われます。ちなみに書類審査で一定のレベルに達していない場合には、筆記試験は受けられません。
受験料を支払う必要がありますが、筆記試験を受けられなくても受験料は返還されません。
インターベンションエキスパートナースの需要
インターベンションは、カテーテルを使って病気の治療を行います。外科手術のように、体を大きくメスを開けて行う治療法ではないため、患者の負担を圧倒的に少なくできます。
インターベンションは高齢化の進む日本において、需要はますます高まります。
高齢者の場合、体力的な問題で手術の出来ないケースも出てきます。手術できない高齢者でも、カテーテルであれば処置のできる可能性は高いです。
高齢者を中心として、カテーテルの治療が主流になりますからインターベンションエキスパートナースのニーズも高まってくるでしょう。
インターベンションエキスパートナースの資格を取得すると、専門的な知識やスキルを持っているため、一般の看護師よりも高く給料設定される傾向が見られます。資格手当が付きますし、病院によってはもともとの基本給自体を高く設定しています。
インターベンションエキスパートナースの資格に興味がある看護師さんへ
インターベンションエキスパートナースはカテーテル検査や治療を行う病院やクリニックで高い需要がありますね。
放射線科や循環器内科、脳神経外科などでは高く評価されると思いますよ。病院の中には、看護師にインターベンションエキスパートナースの資格取得に当たって支援を行っているところもありますよ。
資格を持っていれば、積極的にアピールしたいところですね。