看護師のスキルアップ資格「JPTEC」
看護師の関連資格としてしばしば紹介されるJPTECは、正式名称をJapan Prehospital Trauma Evaluation and Careといいます。
日本語では、「外傷病院前救護ガイドライン」と呼ばれることもあります。日本救急医学会が公認する病院前外傷教育プログラムの一環として認定される資格となります。
JPTECにはさらにその中でも「プロバイダー」「プレインストラクター」「インストラクター」という3種類の資格があります。
JPTECの内容を理解し実践できる人はプロバイダー、実践するだけでなく他の人に対してレクチャーできるだけの能力と技術があると認定されるとインストラクターの資格を取得できます。
2013年3月末時点で上で紹介した3つの資格保有者数の合計は、36231名となっています。この中でももっとも多いのはプロバイダーの資格保有者で、28675名となっています。
資格保有者の職種別内訳を見てみると最も多いのはやはり救急隊員です。しかし看護師はそれに次いで資格保有者数の多い職種で、9000人を超える人が資格を持っているといわれています。
JPTECの合格率を見てみると高めに推移しています。しかし試験内容の中には、看護師がこれまで勉強したことのない知識や技術も含まれます。このため、講習内や事前の勉強でしっかり頭に入れる必要があります。
JPTECの資格取得方法・条件
●主催者団体
JPTECの認定を実施しているのは、JPTEC協議会と呼ばれる一般社団法人です。
●受験資格
JPTECのプログラムを受講するのが絶対的な条件ですが、すべての人が受講できるわけではありません。
条件として、「医師」「看護師」「准看護師」「救命救急士」といった医療関連の国家資格を持っていることが条件です。
ちなみにJPTECのインストラクターの試験を受けるためには、プロバイダー資格を持っていることです。その他、看護師の場合、救急看護認定看護師や救急医療部門で一定の実務経験を有しているなどの基準もついてきますから、注意しましょう。
●試験内容
プロバイダー試験の場合、筆記試験で74%、実技試験で会場の結果を取れば認定されます。五肢択一方式で50問出題され、マークシート方式が採用されています。
講習を受講して、しっかりと受験対策をしていれば、合格率の高さも鑑みると受かる可能性は極めて高いといえます。
一方インストラクター試験の場合、確認試験で86%以上の正答率を獲得することが条件です。この条件をクリアすると、まずプレインストラクターとして認定されます。
そして、プロバイダーコースを1年以内に受講して指導を行い、そこで一定の評価以上が受けられれば、晴れてJPTECインストラクター資格を獲得できます。
日本の看護師はJPTEC資格を仕事で活かせる場面が多い
外傷致死のケースを極力なくすために設けられたのが、JPTECの資格です。医療従事者として守れるはずの命をみすみす失わないためにも重要視すべきスキルといえます。このため、今までもこれからもニーズの高い資格といえるのではないでしょうか?
特に日本は地震や台風、豪雪などの大規模災害が年間で何度も起きます。そのような時には、救急医療を早急に受ける必要のある患者が多数発生します。
正確にしかも迅速に患者の措置を行っていかないといけません。そのような時に専門的なスキルやノウハウをマスターしているJPTEC資格を持った看護師がいると、現場も心強いです。
「JPTEC」の資格取得を考えている看護師さんへ
救急医療体制の整備された病院であれば、就職するときJPTECの資格を持っていると生きると思いますね。
初期救急医療から三次救急医療まで、救急医療といっても様々なタイプがあります。そのいずれにも対応できる資格ですから、救急医療に興味のある看護師にはおすすめの資格だと思いますね。
しかも、都市部はもちろんのこと、地方でもニーズの高い資格ですよ。IターンやUターンを検討している人も、資格取得しておいて損はないですね。