新人看護師が自己評価するときのポイント
医療機関に勤める看護師は、看護部の年間目標や、看護師の個人目標を掲げて、自己能力開発や、病院全体のレベルアップを目指して医療活動を行います。
そして、区切りとして三カ月、半年に一回、見直しや振り返りを行い、その目標の到達度を確認し、再度、その目標達成の為の対策を講じ、医療活動を行います。
自己評価と他者評価があり、自己評価は自分自身で、その目標を達成するためにどのような努力を行い、達成する為のレベルに近づけているかを判断します。
他者評価は、プリセプターや教育担当者が客観的に判断し、その新人看護師の努力と到達度を判断します。
特に、新人看護師の個人目標の位置づけは、看護師としての第一歩を踏み出し、指導を受け一人前になる段階にある為、重要とされています。
新人看護師の能力向上に向けた意識付けと、モチベーション維持・向上の為にも目標を管理しながら実践を積むことは大切です。
新人看護師の自己評価のための目標
目標に関しては、達成できる内容、評価し易い内容にしましょう。
新人看護師に、「病棟の運営管理をする」「病棟全体を見渡せる余裕を持つ」などという目標は、到底難しいでしょう。
自分のレベルにあった目標を掲げなければ、達成はおろか、自己評価を出来ないと言う事になります。
体調管理を行い、休まず出勤する
この場合、自分が欠勤したり、早退したりしたことがあるかどうかは一目瞭然です、体調管理を出来たかどうかの判断が容易に出来ます。
新人看護師は、慣れない職場環境と、日々のストレスで体調を崩しやすい状態にあります。休まず出勤して、看護実戦を詰めることは新人看護師に最も求められることと言えます。
技術チェックリストを積極的に実践し、項目をクリアする
技術チェックリストは、達成しなければいけないものです。
それをどの程度埋められているかと言う事は、自分自身の仕事の取り組みであったり、努力を判断したりする事に値する内容です。よって、客観的にも評価し易い内容です。
報告、連絡、相談を行い、インシデント無く業務遂行できる
医療事故防止には、早期の報告、連絡、相談を行う事で回避する事が出来ます。
新人看護師は、経験が浅くその対策を自分ひとりの考えでは不十分なことがあります。早めに助言を貰うということは大切な仕事をする上での姿勢です。
また、インシデントを起こしたかどうか、その回数はどうかと言う判断は、自分がミスを犯したかどうかを判断し易く評価対象になりやすいと考えられます。
積極的に研修に参加し、自己研鑽を図る
この場合、自分が参加の意思を表示し研修に参加したのか、上司に言われて参加する事になった研修なのかは自分自身が良く理解できるでしょう。
そして、研修や学会参加は、自己研鑽に必要な行動です。参加回数や参加内容を自分の仕事にどう活かせたかと言う事を評価対象にすることが出来ます。
自己評価と他者評価の兼ね合い
個人目標は、自己評価と他者評価がありますが、特に他者評価は、新人看護師を蹴落とそう、悪い部分を見つけようという評価ではありません。
よりよい人材育成のために、能力開発の為に何が必要かと言う事を考え、今後の仕事に対するモチベーション向上の為にも行われています。
新人看護師が自己評価を行う時…
・看護師として、仕事が出来なかった
・自分は「出来ない人材」であった
・ミスが多く、迷惑ばかりかけた
というように、自己評価をあまりにも低く行う新人看護師がいます。
この評価は、自分のモチベーションを下げ、看護師としてのやる気を低下させるもとです。引いては、看護師を辞めてしまうという結果を引き起こす評価内容です。
新人看護師に求められる仕事への姿勢を考慮し、ミスが多くても、出来るようになったことはないか、一人立ちできた内容はないか、患者さんに褒められたことはないかなどの日々の実践中の出来事を振り返りながら評価していく必要があります。
自己評価が低すぎる場合も問題があります。自分を客観的に、冷静に見ることが出来ていないと判断されるからです。
自信を持って、出来ないのに出来ると評価したり、高評価を得たいと言葉巧みに出来ていると評価している新人看護師もいます。
しかし、出来る評価も出来ない評価も、「他者評価」があります。プリセプターや教育担当者は、新人看護師の動きを見て内容で、かなり観察しています。よって、自己評価と他者評価があまりにも違いすぎることも問題になるのです。
よって、新人看護師の自己評価は、冷静に客観的に落ち着いて行うようにしましょう。